えんため語り部屋

舞台を中心としたエンタ-テイメントについて語っています

「大坂侍」6月2日(土)14:30~

席は前方の上手側。段差が無くてちょっと見づらかったよ~。
つかみは笑いで、最後はくっついて、良かったねって感じでした。

この作品、司馬遼太郎さんの「大坂侍」が原作です。
時代は幕末で、大坂で生まれ育った武士の鳥居又七。商人の家の娘・お勢や
芸者の豆奴に思いを寄せられているが、はっきりした態度を示さないでいる。
そんななか、お勢と結ばせる為に、周りの人があれやこれやと仕掛けてくる。
そんな時、父が死に、彰義隊へ入る為に江戸へ向かうのだが・・・・・。

きりやん(霧矢大夢)又七

ポスターの時点でビジュアルが良かったんだけど、舞台でも素敵でした!!めっちゃ鬘、
衣装が似合っていた。水さんの沖田総司もかっこよかったし、案外、江戸時代の日本物って
ビジュアルがいいんだね。そりゃ、演じている役者が、日本人だし、外国が舞台よりは
似合うはずだよな。
原作では又七は大阪弁を使っていなかったと思うが、ここでは大阪弁でした。きりやん、
生粋の大阪人、しかも岸和田出身だし、大阪弁をしゃべっている又七さん、素敵。
恋に奥手な又七さんも良かったな~。
今回は、2番手の役者とがっつり組んだ芝居ではなく、いろんな人と絡んだ芝居で、
主役が大きいなあと思った。きりやんはそれに答えていて、堂々とした貫禄たっぷりだった。

2番手役者とのがっつり組んだ芝居では無いと書いたが、月組期待の路線の若手3人
が出ており、この三人も三者三様で良かった。個性がはっきりしていた。

極楽の政:龍真咲

まず、見た目が良い。元々、美形さんだが。又七を慕う役所も、任に合っていると思った。

田中数馬:もりえちゃん(青樹泉)

彼女も見た目が良い・・・。いや、政みたいにかっこいいということではなく、その逆。
又七の妹・衣絵(麻華りんか)とラブラブなのだが、二人揃って顔に大きなほくろをつけていて
顔で笑わせてくれた。原作ではぶさいくとかっていうのは無かったから演出家の意向で
こうなったんだろうけど、二人とも思いっきったな~。二人のデュエット曲「大坂チャチャチャ♪」も
忘れられない。そのときのピンクの照明も。
あと数馬の情けなさっぷりもよく出ていた。線が細くて、なで肩で頼り無い感じも出ていた。
又七に助けてもらって「すんません」?とか言って謝る(感謝する)場面も印象に残っている。

天野玄蕃:マギー(星条海斗)

彼女はアメリカ出身で、ハーフだったかは忘れたが、なので、顔立ちは欧米人。だから、
逆に日本物が似合わなさそうであったが、全然、そんなことなく、かっこよかった。まあ、
きりやんや、もりえちゃんの髪型とは違っていたのだけども。きりやんとかの髪型だったら
似合っていなかったのかな?
役的には唯一の悪役だった。きりやん、えりさん(嘉月絵里)と、対等に渡り合っていたと思う。

三人とも芝居はいいと思うので、大劇場公演でももっと出番があるといいのにと思った。
こないだの「パリの空よりも高く」なんて何の印象も残っていないんだもん。私がきりやんに注目
していて、真ん中付近しか見ていなくて、脇に目が行かないせいもあるだろうけど。

渡辺玄軒:未沙のえると大和屋源右衛門(箙かおる
いきなりお二人で出てきて漫才みたいになっていました。まさかこの二人ずっとこの調子?
と心配していましたが、最初だけで良かった。まあ、要所要所で笑いを取られていたけど。
渡辺先生は、原作のイメージのうさんくささがそのまんま出ていて良かった。
大和屋さんは、娘の為に又七とくっつけようとしたり、諦めさせようとしたり、娘を思う気持ちが
伝わってきた。
お二人とも、笑いも取られていたけど、所々で真面目なセリフもあって、その場を引き締めて
いらっしゃった。
高麗屋お善:瀧川末子
数馬のお母さんでこの方も芝居が上手かった。いい味出していた。お善もちょっと親バカぶり
を出していた。けちだったけど。フィナーレで専科のお二人に囲まれて出てきても違和感無し
だった。
鳥居弥兵衛:北嶋麻実
又七のお父さん。微妙なセリフ回しがコメディになっていたかな?病床に伏していて弱弱しい
感じは出ていた。でもって、高麗屋さんにひどい目に合わされていたような・・・。
黒門九兵衛:嘉月絵里
えりさんは今まで、女役やショーでの印象で中性的な男役のイメージがあったが、
今回の九兵衛は男前でかっこよかった。退団を発表されて残念だ。もっと彼女のいろんな
男役を見てみたいと思ったのに。
お勢:夢咲ねね
役柄のせいか、いかにもなぶりっ子のしゃべり方で、実際近くにこんなしゃべり方する子が
いたら嫌だな~と思った。舞台だからいいんだけど。でも、時にりりしいしゃべりかたにも
なっていた。見た目はかわいくて良かった。でも又七さんには似合わないわ!とちょっと嫉妬も
ある。嫌、本当はお似合いですけど。
川に飛び込もうとする場面はお勢ちゃん、若いわ~と思ったものです。
豆奴:花瀬みずか
原作には無い役だったけど、違和感は無し。たぶん恋に破れたのは、お勢ちゃんの若さと勢いに
負けたんだと思う。
山崎:良基天音
又七の同僚。登場人物の中で一番、又七に迷惑を掛けなかった人。又七と一緒に
年配の芸者さんと飲むシーンが良かった。

他に幽霊屋敷のカップルとかも印象に残っているな~。

お芝居自体は最初はコメディ要素が強すぎたけど、段々、中和されていって、最後は
上手くまとまったと思う。まあ、原作ものなのですが。又七と玄蕃の戦いのシーンなども
良かった。歌は全体的に歌謡曲ぽかった。フィナーレもなかなかかっこよかった。
1回しか観れなくて、もう1回観たいな~と思った。
そうそう、私の後ろにゲラの人がいた。笑いすぎです!!関西の方っぽかったな~。