えんため語り部屋

舞台を中心としたエンタ-テイメントについて語っています

「ANNA KARENINA(アンナ・カレーニナ)」4/26(土)14:30、4/28(日)14:30

今回の宝塚、月組大劇場公演と星組のバウWS公演、どちらも見ごたえのある
良い作品でした。そりゃそうだ、どちらも再演物。月組は海外のヒットミュージカルで、
星組は今までのバウ作品から再演にふさわしいと選ばれた作品なのだから。

で、「アンナ・カレーニナ」の感想。星組で注目の美弥るりかを目的で麻尋しゅん主演の方を
見ることにした。バウWSは既に月組花組の公演が済んでいるが、タイミングが合わず、今回の
星組から見ることになった。今後は雪組宙組を見る予定。今回、見て月組花組も見とけば
良かったな~と思った。
2回公演とも、席が前方中央だった。麻尋くんファンに譲ってあげたいくらい近い席だったよ。
そんな席なので舞台上のジェンヌの表情がばっちりである。かっこいい男役、かわいい娘役が
いっぱいいた。特に、アンナの息子・セリョージャ役の子がめっちゃかわいかった。顔の色と首の色が
違いすぎたのが残念だったが。下級生だからまだ詰めが甘かったのかな。プログラムで確認したら
大輝真琴。男役なんだね。
麻尋くんとみやるりもプログラムの写真より舞台上のほうが断然ビジュアルが良かった。みやるりは目が
大きすぎるけど、舞台上ではそんなことなかったし、ちょっと細めのひげも似合っていた。
麻尋ヴィロンスキー伯爵は1年前に出た若手本「NWE GENERATION」で男役としてそのポーズは
どうなのよ?と思うポーズで写っていて男役度が低くて印象が良くなかったけど、舞台上のビジュアルは
かなり良かった。美青年というのには納得だし、役の雰囲気もあるだろうが佇まいも良くて、主演
するのは納得だと思いました。実際は女性の生徒さんにこう言うのは抵抗があるが、顔だけなら
「好みのタイプ」だった。しかしファンになるかは別の話だが。あと麻尋くんは歌も良かった。
帰り、別のお客さんが「歌が上手いって強みよね~。聴かせてくれるもの」と言っていました。
みっちゃん(北翔海莉)っぽい人がいるなーと思ったらコスチャ役の碧海りまくんだった。この子は「おとめ」で
見て素顔がかわいいなーと思っていた。役が純粋な田舎貴族ってのもあったかもしれないが、
毒気の無いさわやかな人だったので、役者としてもう一癖あるといいなと思った。
相手役のキティ・妃白ゆあちゃんは主要メンバーの中で唯一ビジュアルがいまいちだった。ビジュアル
意外は悪くなかったけど。
ヴィロンスキーの士官学校時代のライバル・セルプホフスコイもちょっと目立つ。研2の十碧れいや
だった。何かどこかで見たことのあるような雰囲気の男役で、あんまり魅力的に感じなかった。
でも背は高いし、今後に期待する。化粧がもっとうまくなればね。
アンナ役の妃咲せあらは落ち着いていてヴィロンスキーより年上の感じが出ていた。
本当は同期なんだが。でもせあらちゃんって普段の写真を見るとちょっと大人びていたっけ。
前髪が良かった。でもちょっと地味だったかも。役の雰囲気にはあっていたが。
上級生4人もそれぞれ良かった。ヴィロンスキーの母・万里柚美さんは最初の印象と途中から変わった。
貞淑な奥さんかと思いきやそうでは無かったのね。母の忠告は正しかったね。
アンナの小間使いのアンヌシカ:朝峰ひかりさんもいい味出していた。
若手の中で好印象だった方もいた。
アンナの兄ティーバ役の鶴美舞夕は上級生の奥さん相手に良い演技をしていた。将来渋くて
かっこいい男役さんになりそう。将来が楽しみな人だ。
そしてベッツィ役の音花ゆり。1回目を見た直後はそうでもなかったのだが、
2回目を見る前になってふと実はベッツィって重要な役なのではと思うようになった。登場人物の中で一番
現実的な人で貴族社会とは、貴族とはこういうものなのよと観客にわからせる役割の人。その上でアンナと
ヴィロンスキーの恋の手助けもしたり。音花さんのしゃべり方など上手いなーと思いました。ベッツィのだんなさん
はどんな人なんだろうと気になります。
みやるりカレーニンは思っていた以上に良かった。初めて認識してみやるりを見るからね。演技が大根
でなくて良かったというか。声は低いし、ビジュアルも良かった。男役としては身長は高くなく、線が細いが。
一幕のソロがちょっと不安定だったけど、踏ん張っていた。心の中で頑張れ!とつぶやいてしまった。
みやるりカレーニンを見てかしげ(貴城けい)カレーニンも見た目はこんな感じだったのかなーと思った。
美形でちょっとおでこが広めなところが似ていそう。
たまたまYOU TUBEで初演の「アンナ・カレーニナ」の映像を見たけど、やっぱりちょっと似てた。

原作を知らないまま見ました。「舞姫」も原作を変えた植田景子先生なので、これも変わっているのか
不明ですが、ストーリーに関して思ったこと。
アンナがカレーニンの元を去ってヴィロンスキーの子供を生んで弱っているとき、ヴィロンスキーとカレーニン
揃っているところで「どうしてあの人(カレーニン)は戻ってこないのかしら」「何故ヴィロンスキーを愛して
しまったのかしら」と言うのは二人の男性に対して失礼ではないか?アンヌシカだけに言うならいいけど。
レーニンが戻ってこないのは当然だろ!あなたが若い男を選んだのだから。あとヴィロンスキーを何故
愛したかってヴィロンスキーの立場が無いじゃないかと思った。そういうわけでどうしてアンナがこんなことを
言うのか・・・。弱っていたからだろうけど。意地汚い見方をすると、悲劇のヒロインぶっているようで・・・。
自分が悪いんじゃん。
ヴィロンスキーがピストル自殺を図って生きていたこと。ピストル自殺ってすごく確実に感じるので、
生きていたのに驚いた。やっぱり自分で引き金を引こうとする前に暴発したってこと?
レーニンが離婚をしなかったこと。離婚してもアンナを守ることはできる。だから離婚してやれ。
本当に彼女を愛しているのなら。と思った。離婚しなかった本当の理由はアンナとの繋がりを絶ちたく
なかったからだろう。嫉妬だよね。子供がいるんだし、離婚してもアンナとの繋がりは0(ゼロ)にはならない
よと言ってやりたかった。でもこの時代のロシア貴族の話だから、わかんないね。本当に離婚したらアンナと
一生会えなくなったのかもね。
ストーリーの流れでアンナがヴィロンスキーの元に行って子供を産んで病気になりカレーニンのところに戻って、
ヴィロンスキーが赴任先に行く前にアンナに最後のお別れをして話が終わるのかと思いきや、アンナと
再会して再び二人で盛り上がってイタリアに行ったという展開はちょっと驚きでした。2転3転を話が変わって。
でも同じ過ちを繰り返すな!とも言いたかった。アンナがカレーニンのところに戻ったときはヴィロンスキーに
肩を持ちたくなったが、イタリアに行ったときはカレーニンに肩を持ちたくなったよ。結局はアンナとヴィロンスキー
は上手くいかなった。
アンナには情熱はあったけど、世間の白い目に対する強さ・たくましさが無かった。貴族社会を知らないし、
子供も産んだことのない自分にはアンナの苦悩が理解しきれていないのかな。アンナに強さを求めるってことは。
ストーリーに対して色々文句っぽいことを書いているけど、こんだけ書いているってことはそれだけ作品に
はまったということなんだよね。最初に書いているけど良い作品だった。

これを見たもんだから星組の組本を買ってしまったよ。
これからは星組では美弥るりかに注目だ!

おまけ:「舞姫」メンバーに役を当てはめてみた。アンナはすみ花ちゃんならできそうだが、学年差がわかって
いるので、別の人で見たい。ヴィロンスキー:みわっちは苦悩の豊さんだったから合いそう。軍服も似合っていたし。
レーニン:まっつも絶対似合うな。みやるりちゃんのカレーニンを見た後なので。ソロは聞き応えあるよ。
みつるくんはコスチャになるのかな。みつるくんの貴族を見たこと無いので、ちょっと見たいね。りまちゃんは
毒気が無いと思っていたが、みつるくんはどう演じるだろうか?コスチャは2幕でソロがあるところが不安だ。
舞姫で芳次郎のちゃんとしたソロが無かったのは植田先生がみつるくんの歌唱力を見極めてのことだったのかな?
アンナの兄はふみかで合いそう。セルプホフスコイはちゃーかな?でも役的にはもっと若手のレアちゃんに当てそうだ。