雪組バウ公演「忘れ雪」１月１０日(土)11:00～

原作がある作品だが・・・・、ラストが納得できない。
「銀ちゃんの恋」はおもしろかったから宝塚っぽくなくても良かったんだけど、
この作品は良い作品とは言えず、もろに現代の日本を舞台にしており地味だったし、
ラストが納得いかなかったので、宝塚でしなくても良いんじゃと思った。
嫌なシーンは主役の桜木（音月桂）がリンチされるシーン。こういう暴力的なシーンは
宝塚では見たくない。まだ戦争、タイマンの喧嘩とかで殴り合いとかならまだしも、これは一方的に
やられているからな・・・。しかもこれが原因で桜木、死ぬんだぜ！！！これはびっくりした。
ここはご都合主義で桜木を生かそうよ！と思ったものです。それが宝塚じゃないの？と思った。
何か、そういう理由でこの桜木はヒロイン深雪(舞羽美海)と出会っていなければ、もっと長生きできたのに。
いい奴だっただけにこんな死に方をするのが納得できん。桜木に同情してしまう。まあ、原作が
そうなんでしょうけど。原作は読めばもっとこの最後が意味あるものとして感じることができるのだろうか？
宝塚の演出家にはオリジナルでこのようなストーリーを作ってほしくないです。
とは、いえ、桜木もただいい奴ではなく、母の死で家庭が崩壊しており、桜木自体も母の死に
トラウマをもっている感じなのだ。そう、動物に対しては愛情をもてるのに女性に対しては・・・という感じ。
弟・みつる（大湖せしる）と父親（未沙のえる）から静香さん（愛原実花）のことで好きではないなら
はっきり言えよみたいなことを言われてかわいそうだなと思った。余計なお世話じゃん。まあ、みつるは
静香に惚れているからこそなのだが。そしてこの静香が！途中から思いつめるタイプだな、一昔前の
ドラマの富田靖子みたいな奴だろう（このドラマが何か分かった人いるかな？）と思っていたら、本当に
そうだった。やりやがったなという感じ。愛原さんはビジュアルはヒロインにするにはちょっと・・・なのだが、
こういう役ならぴったりだと思った。静香さんのやったことは本当に日本のドラマの展開を見ているようで、
というか、この舞台全体が日本のドラマにありそうなストーリーだったかな。だから、宝塚でやらんでも
ドラマで見るわ！となるんだ。

深雪と桜木の７年前の関係性でもっと桜木目線がほしかった気がする。深雪が桜木に好意をもつのは
描かれているが、桜木のほうはただの小学生の女の子としか見ていないというか、７年後に出会って、
桜木が深雪に惹かれるというのが納得できるものが無かったと思う。ああ、あのときの小学生か～で、
終わる気がして。７年前の桜木にとって深雪はどういう存在だったかを、当時の桜木にちょっと語らせるとか
できなかったのかな？そしたら印象的な子だったのに母の死がきっかけでだんだん忘れていったけど、
７年後に再開して惹かれるのに納得性があると思う。
それともあのときの小学生かで終わっていたが、深雪が積極的に行動を起こしてくるので、次第に
今の深雪に惹かれていったと見るべきかな。とにかく７年前のエピソードが桜木にとってはさほど重要に
感じられなかった。
それから高校生時代の桜木はもっとキムに雰囲気が似た子がいなかったもんかね。ぶっちゃけ、
高校時代もキムが演じれば良かったんだけど、舞台上で一緒に出るシーンがあるから無理だったんだが。
高校生桜木をを演じた子は帆風成海くん。本公演も最下級生で、だから選ばれた？の割には結構、
舞台上でしゃべっていたし、かなり目立つ役だった。でもキムと雰囲気違いすぎで違和感があった。
もっとキムっぽい子いなかったのかな。下級生過ぎて？ちょっともっさりしていたし。

唐突と言えば、桜木の親友・鳴海(凰稀かなめ)が深雪を好きになっていたこと。そうくるか！
いや、よくある話だけど。よくある話だからこそやってほしくないっつうか。だから深雪が行方不明になったとき、
鳴海か、鳴海父が隠したのかなと思った。桜木にはいい顔して好きな女の子を奪おうとしてんじゃないのか？と
鳴海を疑ってしまった。まあ、実際はそうではなかったので、良かったが。あと鳴海父（飛鳥裕）が息子の為に
そんなことする分けないよね。利益のある他の女性と結婚させようとしていたのだから。
でも鳴海は桜木死後、深雪を見守り続けて、深雪が受け入れてくれて将来は一緒になるんだろうなと
思った。どうなんだろうね。深雪の気持ちは。鳴海がいると桜木を思い出してつらいとかなるかもしれないし。

ここからはランダムに。
よくわからなかったのは深雪の橘家。京都に引っ越した先ではよくしてくれたってことなのかな？
前方席で見たけど、ビジュアルが良しと思ったのは、キム・テル・せしるくらい。キングはめがねくんが
ちょっと惜しかった。前、「凍てついた明日｣でも思ったけど、雪組、かっこいいこ、かわいいこがいないぞ。
メイクが下手なのかな？
組長さんの男役をじっくり見たのは初めて。今まではサーカス団長とか、マロングラッセだったし。見た目が
男役にしては優しい感じだなと思っていたが、今回は大物政治家としての威厳を感じました。
緒月くんは２幕からの登場で、桜木に暴力をふるうんだよ。鳴海父の為に。いい役ではなかった。
桜木父は家に引きこもりっぽいのに何でいろいろ息子のことに詳しいんだろうと思った。
桜木は暴力された後、鳴海の言うとおりに病院に行っておけば良かったんだ！あのときどうしても
深雪のところに行かなければいけなかったのだろうか？
深雪は桜木のことを胸に秘めて画家になるのかな。売れるまでパトロン（鳴海）がいるから大丈夫
よね。「舞姫」の芳さんみたいにはならないよね。
みつるは静香がああなっても好きなのかな？中里（蓮城まこと）と交互に看病しているらしいが。
中里は静香に恋心があるかなと思ったけど、無かったみたい。でも同僚なだけなのに、看病するのは
えらいと思う。なごませキャラだったな。私が見たときはジャニーズの歌を歌っていた。それもちょっと古いやつ。
そうそう橘家と南信一（真波そら）と鳴海家の関係性が説明があってもよくわからなかった。
南くん、深雪の婚約者だったけど、存在感が薄かった・・・。そらくん自体には注目していますが。
プログラムを見たらそらくんもかっこいいな。
２幕目の最初のほうでテルがおささん（春野寿美礼）に見えた。角度によってはやっぱり似てますな。
桜木と鳴海の親友ソング？なかなかおもしろかった。
桜木、本当、いい奴だったので、死んだのが惜しい。何だかんだで私は桜木が好きなのかな？
でもキムのファンにはならないな～。本当にこの人はできる方なんだけど、何故、惹かれないのか？
やっぱり劇団からの扱いが良くて順調に見えるのと、舞台上で優等生だからかな？上手いから
ひやひやしないだよね。それはいいことなんだが。せめて素がとうこさんみたいなキャラだともっと好きに
なれそうだけど、素のキムがどういう人なのか知らないからな。興味ないからにこにこ動画とかで見ないもん。
興味のある人は見るのよ。雪組８６期のわくわくカフェタイムを見て、そらくん、緒月くん、テルって
こんな人なんだーって思ったりするんで。
でもキムは一定レベルの舞台を見せてくれるので良いジェンヌだと思います。できる子なので
劇団もキムを急がせてトップにしなくてもいいかも。ゆみこさんの後でも大丈夫でしょう。

この内容ならショーをつけろ！と思った。絶対あると思ったのに、無かったので残念。
文句ばっかりなので、良かった「カラマーゾフの兄弟」よりも長い感想になってしまった。
突っ込んで楽しむ作品なんだな。

突っ込みどころ満載でヒロイン深雪の舞羽さんについて語っていなかった。ええとかわいかったです。
でも下級生の割には若手っぽくなかったかも。だからランドルセルからっているのがちとかわいそかったかも。
深雪自体は７年後、積極的な人になっていて掻き回し系キャラでびっくりだけど。
そうそうクロスの存在も忘れていた。クロスが桜木と深雪を出会わせた張本人なのだから！あ、犬ですが。
ぬいぐるみを生きているように舞台で出すのは難しいんだなと思った。クロスが出るたびにくすくす
笑い声が聞こえたから。あとクロスとは別に犬のぬいぐるみを動かしているのは本当に走っているように
見えたのでちょっと感心した。