えんため語り部屋

舞台を中心としたエンタ-テイメントについて語っています

雪組バウ公演「雪景色」

2010年最初の記事は、去年の雪組バウ公演からです。まだ去年の作品の
感想がこれを含めないで4つあります。一つはもう感想書かないかも・・・。

今回は、役替りがあったので、それを書いておきます。
11月21日(土)14:30~:役替りパターンA
11月22日(日)14:30~:役替りパターンB
A 第一幕「愛ふたつ」  小四郎:早霧せいな、三五郎:沙央くらま
 第二幕「花かんざし」 伊左次:沙央、吉蔵:早霧、巳之助:凛城きら
 第三幕「夢のなごり」 伊予三郎忠嗣:沙央、伊予四郎信嗣:早霧、
            伊予八郎直嗣:彩風咲奈、お雪:花瑛ちほ
B 第一幕「愛ふたつ」  小四郎:沙央、三五郎:早霧
 第二幕「花かんざし」 伊左次:早霧、吉蔵:沙央、巳之助:彩風
 第三幕「夢のなごり」 伊予三郎忠嗣:早霧、伊予四郎信嗣:沙央、
            伊予八郎直嗣:帆風成海、お雪:妃桜ほのり

役替りだったので、通常のW主演以上に主演者二人の比較が可能ということで、
コマ(沙央くらま)とちぎさん(早霧せいな)の劇団からの推され具合の差が彼女たちの
宝塚スターとしての実力の差となっているのか?も確かめたい公演でした。
ちぎさんは、大劇場公演以外では「A/L」くらいでしか観たことが無いので、
まだどんな感じの生徒さんなのか分からなかったので、今回、主演作品を観て
改めて、こんな生徒さんだったのかーと認識することができました。

第一幕「愛ふたつ」

ストーリーは、江戸へ稼ぎに行った夫:小四郎が亡くなったと聞いて、妻:お咲(舞羽美海)は
小四郎の従兄弟:三五郎と再婚したが、小四郎が生きて戻って来て騒動となるのですが、
カサブランカ」も同時期に見たので、エピソードがかぶっている!と思いました。
最後は全く違いますが。この「愛ふたつ」は戻って来た小四郎は、旅の途中で助けた
伊勢屋の主人が実際は亡くなっていて、その妻:浪江(大月さゆ)と結婚することになり
逆玉の輿になったというラスト。これは落語なので、簡単にくっついたけど、普通の恋愛
物でしたら、そう上手くはいかないですよね。

ちぎさんの三五郎の役作りが笑いの方向に突き抜けていて面白かった。三五郎の歌が「大坂侍」
のときのもりえちゃん並みのコブシ回しだった。三五郎の一人しゃべりは二人とも
観ていてきつかった、米やん、しゃべってくれと感じた。最初の小四郎のしゃべりはちぎさんの
ほうが緩急ついていた。コメディはちぎさんのほうが上手いと感じた。
日曜日の幕間で、ちぎさんはエンターテイナーだ、コマももっとやっていいのにねと話している
お客さん二人組みがいて、やっぱりそう感じるよねと同感しました。

第二幕「花かんざし」

初見で涙ボロボロ。それなのにいつもは手に持っているハンカチをその時はバックにしまい込んで
いて、後悔した。
初見のインパクが強かったせいか、伊左次:沙央、吉蔵:早霧のほうがしっくりきた。というか、
Bパターンは、一幕のちぎさん三五郎の印象が強く残っているせいで、ちぎさんが不器用な男を
演じるのに違和感があった。あと、伊左次のような役はちぎさんタイプには似合わないかも。
例えば、この伊左次、ゆうひさんならぴったり合いそうだが、タニさんには合わなさそうというか。
コマはこの「花かんざし」、次の「夢のなごり」を見て、クールだと思ったので、
コマのほうが似合うのかも。
吉蔵はちぎさんのほうが良かった。江戸っ子のしゃべりの雰囲気が出ていた。あ、でもコマのほうが
本当の江戸っ子なのに・・・。
ヒロインのお菊ちゃんのキャラはイマイチ好きになれない。ごめんね。

第三幕「夢のなごり」

みんな平家を守る為に、死んでいくのが衝撃だった。何でか、ちぎさんとコマ以外の方たちの
衣装が変だった。袴がすごく太くて、太って見えた。ちぎさん、コマさんはポスターで着ていた
衣装を結局着ていなかったなあ。あの衣装かっこいいから残念。
コマ、ちぎさんが二人で踊っているのを見て、ちぎさんにみりおくんに通じるものを感じた。
華やかさがある。あと、二人の表情が対象的だった。ちぎさんは笑顔でにこやかに踊っていたのに
対して、コマは終始クールな表情だった。これは役のせいかなと思ったが、逆になってもやっぱり
ちぎさんはにこやかで、コマはクールだった。

他の方々について。
舞羽美海:三作品、全てヒロインでしたが、三役とも全く違う印象で良かった。「夢のなごり」の
常盤木姫の最初の台詞が野々すみ花っぽいと感じました。

大月さゆ:メイクを頑張れ!と思った。最初の2作品が良い役なだけにそう思いました。でも次で
退団なんですね。「花かんざし」のお静がきっぷの良さがきちんと出ていて良かった。

香綾しずる:新公主演した人なので注目。「夢のなごり」の最初に歌うのが良かった。あと、役替り
の下級生より、きりっとした顔立ちで良い。まあ、役替りの下級生三人はまだ若いから丸い
んだよね。三人とも丸顔。しかし凛城きらくんはもっと細くなった方がいいと思うけど。

大凪真生:「愛ふたつ」での茶屋の婆ァがインパクト有り。明石家さんまのあみだくじばばあ
みたいだった。「花かんざし」「夢のなごり」での香綾さんと組んでのお芝居も良かった。

汝鳥伶:今まで見た汝鳥さんの中で1番良かったです。「愛ふたつ」の甚兵衛は「くらわんか」にも
出てきた役だそう。折角、録画していた蘭寿とむバージョンの「くらわんか」を見ていなかったのを
後悔。この甚兵衛のお節介が騒動の発端となるのです。「花かんざし」の源助も初心者の船頭で、
笑いを取っていて、最初の出番の時は涙々のお話とは露知らず、笑って見ていました。「夢のなごり」
のシリアスな役も良かったです。

まとめ
ちぎさんの声が水さんに似ていると思った。あと、歌がイマイチという評判を聞いていましたが、
思っていたほどひどくは無かった。やっぱり劇団が推すのも納得できたかなあ。「愛ふたつ」では
コメディ良し、人を喜ばせるのを心得ている、エンターテイナー性があると感じたし、「夢のなごり」
では華やかさを感じたので。ポスターの「夢のなごり」で着ていた衣装の写真がプログラムに
載っているのですが、これがちぎさんのほうがかっこいいんだよなあ。コマを応援しているものと
してはちょっと残念。
コマは、コメディの「愛ふたつ」では、ちょっとちぎさんの方が良かったと感じたけど、
「花かんざし」「夢のなごり」はそれぞれ良かったですよ!これからも雪組では君に注目していくさ!