宙組ドラマシティ公演「シャングリラ-水之城-」3月12日(金)14:00～

当日券で観ました。平日でしたが、ほぼ満席。後方の上手側で観ました。

ストーリーは漫画チック。途中、宝塚歌劇団ではない、別の小劇団でやっている芝居を観ている
ような気分になりました。
砂漠で無国籍な感じなのに、途中、日本の地名が出てくるので(シャングリラは東京のどこからしい)、
そこが違和感。その違和感を楽しめってことかもしれませんが。
みんなビジュアル系でした。らんとむさんはスーツ姿でいつもとそんなに変わらないのですが、
他にスーツ姿がいないので、逆に目につきました。あと鳳翔くんも普通の男子の服装で、これも
かっこよかった。「パラダイスプリンス」で七帆さんや十輝さんがこんな感じだったなあと思い出した。
シャングリラチームのメンバーは、何で、そんなビジュアルになったの？ってな感じ。
みんないつのまにか肌が白くなって髪も個性的になって・・・。蓮水くんがシャングリラチームで
蓮水くんは髪が灰色で、「シルバー・ローズ・クロニクル」の凰稀かなめちゃんの吸血鬼っぽい
ビジュアルです。髪はそこまで長くないのですが。めっちゃ、いいですよ。似合っています。

旅芸人一座の「蛇の目一座」のメンバーも服装もだが、人物的にも個性的でした。
座長の風(フォン／十輝いりす)は、いい親父でした。まさこさんはお父さん役がよくありますなあ。
今度はらんとむの父でした。他に風の奥さん・雲(ユン／鈴奈沙也)は息子がいなくて寂しいのか、
あんまりしゃべらないけど、色っぽい雰囲気。賑やかし3人組、涙(ルイ／七海ひろき)は将来、作家か
何かになりたいので、旅を記録するんだと！しゃべる下りは台詞もいっぱいだった。しゃべっている後ろで
風の自慢の自動車で行こうとするけど、中々エンジンが掛からなかったり、走り出したら、あとの
二人(蒼、紅)が乗れずに追いかけていたりして面白かった。その光景を観て、涙も車に乗って行か
なくていいのかとツッコんでみたりした。蒼(ソウ)は蒼羽りくで紅(コウ)が愛月ひかる。この
二人の役も印象に残っていて、良い役だと思います。

回想のシャングリラチームが出てきて、これは下級生がやっていたのですが、これも下級生に
とってはやりがいのあった役だったと思います。特に青年役の風馬翔、兄役の彩花まりは
台詞が多く、アクションとかがありましたね。

そろそろストーリーについて語ると(突っ込んでいこうか？)もちろんネタばれありますので。
恋愛の部分で、最初、美雨(ミウ／野々すみ花)は嵐(ラン／蘭寿とむ)に思いを寄せているのですが、
空(ソラ／大空祐飛)と関わる内に次第に空に惹かれていきます。じゃあ、嵐はどうなるんだ！と思う
のですが、元々、嵐は美雨に恋愛感情を抱いていたかはよく分かりません。でも、一応フォローされて
おり、監禁されたとき、既に監禁されていた科学者・霧(フォグ／純矢ちとせ)と出会い、水の話を
している内に良い感じになって来て、ここを出たら霧の発明した浄水器を普及させるよと誓います。
で、最後、美雨が空を探しに行くとき、嵐が歌で美雨を励まして、一応、美雨と嵐の関係に決着を
つけて、美雨と空は結ばれます。

謎のグループシャングリラについて。大抵の人は直ぐに気づくと思うので、書きますが、シャングリラ
の王の兄の方が行方不明になったとありますが、それが既に記憶喪失として出てくる空のことです。
こだわっちゃいけないのは分かりますが、このグループには色々突っ込みたくなります。
5人で、何故、水を独占することができたのか？いくら空が強いからって・・・。
あと、どうしてそのようなビジュアルになったのか？
昔は、そうでは無かったのにいつの間にか、雹(ヒョウ／蓮水ゆうや)と霙(ミゾレ／藤咲えり)が
部下のようになっている。
あと霙だけ、名前の発音が和語なので、ちょっと違和感。他の人は漢語か中国語か英語だもんと
思っていたら、意外と主役の空が和語でした。

雹の蓮水くんは、行方不明の空を探しているのですが、1幕目の最後にその空に殺されちゃいます・・・。
ええー2幕目は出番無し？と悲観しましたが、ダンスシーンで出てきて、結構長く空と踊っていたので、
良かったです。

雹は飛行機の墜落事故は味方であるはずの氷(アイス／悠未ひろ)の仕業と見抜きますが、更に空は
脱出用のパラシュートが用意されていたので、それは俺(空)を逃がす為だった、つまり本当は殺す
つもりは無かったと氷に語ります。そこで、氷は完全悪になった訳ではないと証明されます。実際に
氷はどうしようも無くなったせいもあるかもしれませんが、頑なに拒否していた水門を開ける行為を
自らの手で行います。それも自分を犠牲にして。死ななくても良かったじゃん、素直になれば良かった
のに～。と思います。まあ、それだけ氷の過去に対する思いは強かったのでしょう。

あと、空には目が見えない弟の海(カイ／北翔海莉)がいます。この人が、目が見えないものだから、
あまり自由ができなくて、兄がいなくなったあとは氷の側にいるという感じです。でも自分の意思は
ちゃんと持っています。みっちゃんの海はすごく、良かったです。何と言うか、今までのみっちゃんの
イメージに無い役でした。弟役といっても、「薔薇に降る雨」のときの弟とは全く違う印象で、
兄に信頼を寄せていて、健気な感じで、研12の男役がやるには幼いのでは？と思わせる弟像を創って
いたと思う。

逆に氷役のともちんは振られる役が最近、似ているせいか、怒っていたり威圧的だったりで、いつもと
同じ印象で損している感じ。「逆転裁判2」のマイルズ・エッジワース役は見ていないので、「薔薇に降る雨」
以来ずっと悪役の印象です。今回の氷自体は本当の悪ではない悪役で、良い役でしたが、次こそは
思いっきりいい人の役で見たいなあと思いました。

あとダンスが、宝塚っぽくないダンスでした。新鮮でした。ダンスとなるとらんとむさんに目が行きますね。
それとプログラムに場毎の出演者の訂正が入っていました。直前でいろいろ変更があったというのを思わせます。