えんため語り部屋

舞台を中心としたエンタ-テイメントについて語っています

宙組バウ公演「Je Chante」(ジュ・シャント)-終わりなき喝采-

3月21日(日)11:00~
 
宝塚の王道を行くストーリーでした。1幕終わりにかけては楽しいな~と思いながら見ていました。
同じデビュー作品でも、こないだの花組バウとは対照的でした。あちらは生田先生が自分のこだわりを
とことん追求して創って独特の世界観が広がっていた作品になっていたのですが、こちらも原田先生の
こだわりはあるのですが、結果的に宝塚らしい作品になっていました。
 
主演のシャルル役の凪七瑠海さん は役にあっていて、良かったと思います。大人の男ではない青年の役で。
線が細くて、丸顔で、まだ可愛い雰囲気で、男役としては損している部分があるが、歌も破綻がないし、
演技も悪くないし、スタイルは良いので、これから大人の男役としての色気を身に着けていければ、
良いと思うし、そしたら応援してくれる人も増えるさ。
 
ヒロインのジジは花影アリスさん。1幕の可愛い雰囲気を見て、似合っていたけど、だったらもっと下級生が
ヒロインでも良かったなと正直思いました。でも2幕でのショースターになった後のジジの雰囲気を見ると
花影さんくらいの学年で良かったのだと感じました。カチャさんが花影さんより小顔だったので、二人が
顔をくっつけるシーンはちょっと残念でしたが。てか、カチャさんより小顔の人でそう、いないよね・・・。
男役さんが小顔過ぎると(オサさんとかさ)、隣に並ぶ娘役さんが大変だな。
 
2番手、3番手さんは、1幕がシャルルの親友ジョニー役・鳳樹いちさん、2幕がジジを囲っているナチス
少佐・春風弥里さん
が出番が多くて、活躍。ちょっと「舞姫」の相田と原みたいな出演の仕方かな。
1幕で鳳樹さんとカチャさんのショーのシーンは二人で歌って踊って、鳳樹さんも歌の破綻はない人だと
いうことは分かった。明るい親友役で良かった。次回、新公主演があるのか気になるところです。 
春風さんは、ナチスの少佐ということでお堅い軍人で権力を振りかざすのだが、実は本当にジジを愛して
いて、ジジがユダヤ人と知ってもかばおうとした。まあ、ジジがユダヤ人と知ったときは狐につままれた
ような気分になったとは思うが。実力派の方なので、心配はしていなかったが、貫禄があって良かった。
宝塚というところは一度新公主演した人たちを、下級生の主演の作品に出演させることはほとんど無いの
ですが、こういう役だったら、しょうがなかったのかなと思います。
 
他は今回は、ベテラン勢が印象に残りました。
中でもやっぱり、ミスタンゲットの美穂圭子さん。こないだの花組バウに比べたら断然、こちらの役が
良かったです。ミスタンゲットは大スターで、ちょっとべらんめい口調でスターキャラが良い味を出して
いました。ジジが付き人をしていたのですが、実はジジのお父さんのお陰でスターになれて、ジジの
お父さんに感謝をしていて、お父さんが捕まった後は、ジジの面倒を見る為もあって付き人にしているのです。
それもあって、シャルルがジジに近づいてきたときは、二人を離すように仕向けます。あと、自分が怪我を
した際、他のスターにその座を明け渡したくなくて、ジジを舞台に立たせるようにもします。
 
また劇場の支配人役の磯野千尋さん、シャルルたちをスカウトしたラウル役の寿つかささんたちも良い味を
出されていました。
他は監督役の風莉じんさんも最初のほうで印象に残ります。ジョニーの恋人役だったすみれ乃麗さん
役所は、月組の「ラストプレイ」の蘭乃ちゃんの役所とちょっぴり似ていたような。二人ともお店で働いて
恋人がその店に来ていて話していたので。一方はウエイトレスで一方は踊り子で、恋人に対しても一方は
恋人一筋だが、片方はちょっと別の男に横恋慕しているという違いはあるのだが。
ミスタンゲットの付き人さんたちが区別がついていなくて、終わり頃になってやっと、大海亜呼さん
いたんだと気づいた。この方を、見つけられなかったとは・・・。付き人さんではベル(美風舞良)
最後に、重要なことをやっちゃいました。

他、下級生はほとんど認識できませんでした。スカイフェアリーズの星吹彩翔さんが認識できましたが。
 
ストーリーとしては、1幕でシャルルは映画撮影所で働いていて、そこでミスタンゲットやジジと出会う。
その後、たまたまクラブで歌ったがそれが好評。その評判を聞いたラウルにスカウトされる。そして
デビューが突然決まる。怪我をしたミスタンゲットの代役。その代役が成功して、シャルルとジョニーの
コンビは一躍、スターになるものの、シャルルに召集令状が来て、シャルルは軍隊に入る。でもその軍隊でも
シャルルは仲間たちと歌を歌ったりして、軍隊生活を終える。そして戻ってきたら、新しいスターが
誕生していて、それがジジだった。しかもジジには男がいた・・・。
2幕でジジとの共演でエンターテイメント界に復帰したシャルル。ナチスがパリに入ってきて規制が厳しく
なった為、ショーの上演を続けられるようにナチスの少佐と親密な関係になっている。それを心配する
ミスタンゲット。ナチスの少佐にベルリンに一緒に行くように言われ、ナチスに心を売ったわけではない
ジジは困惑。そしてジジには秘密があった。ユダヤ人だったのだ。その秘密をシャルルに話し、二人は
パリを離れる決意をする。それを仲間たちも協力してくれるが、ジジがユダヤ人だということがナチス
ばれる。ジジを探し出すナチスたち。そして、ベルが場所を教え、少佐がやってくる。そこでシャルルと
少佐が対峙する。少佐が引き金を引いた瞬間、ジジがシャルルの前で倒れる。ジジがシャルルを庇ったのだ。
ジジは息を引き取り、シャルルはパリを去る。そして何年後かにパリの民衆がシャルルの歌を求めていると、
シャルルはパリに戻って来た。-FIN-
 
同時期に見た虞美人では虞美人の最期のシーンでは涙は出なかったが、こちらのジジの最期では涙が
ちょっと出ましたね。
あとは雨宿りのシーンが良かったです。シャルルとジジが親しくなるシーンです。
フィナーレが良かったです。鳳樹さんと初めとする若手男女4人くらいだったかな?でのダンスシーンが
あり、その後は、春風さん中心の黒燕尾服での男役のダンス。バウ公演とは言え、黒燕尾で中心で
踊るなんてすご~いと思ったし、羨ましいと思いました。みつるくんが2番手の作品では、こういう
フィナーレが無かったから。その後は白燕尾?の衣装のカチャさんと花影さんのデュエットダンスでした。
 
次回の大劇場公演のお稽古が始まっていますが、ショーはどんな感じ何だろう。88期とカチャさんの
出番が気になります。カラブランカでは蓮水くんが外されていて残念だったが、次もそうなのかなあ。
でも、今回、見に行きませんがね・・・。