えんため語り部屋

舞台を中心としたエンタ-テイメントについて語っています

ゾロ ザ・ミュージカル 日生劇場 1月15日(土)17:30~

当日券A席(3階)で見ました。
Wキャストはそれぞれ イネス:池田有希子、ガルシア軍曹:芋洗坂係長 でした。
 
パンフレットの解説によると、「ゾロ」ってやっぱり有名みたいです。感想を書こうとしている
今、最近、マスクを被ったヒーロー物を映画で見たなあと思い出しました。「グリーン・ホーネット
のことです。どちらも古いけど、ゾロのほうが古いようです。初登場はゾロは1919年連載小説で
グリーンホーネットは1936年ラジオドラマでした。(各パンフレット参照)
 
宝塚版のゾロとはストーリーが違いました。
ディエゴ(坂本昌行)には血のつながらない兄弟:ラモン(石井一孝)がいますが、
ディエゴと彼の父:アレハンドロ総督(上條恒彦)は本当の家族のようにラモンを
思っていますが、ラモンはその思いを汲み取れず、「自分は養子だから父からは愛されていない」と
一人で勘違いしたまま(ディエゴにはライバル心を持ち)大人になります。
やがて、ディエゴは家(カルフォニア)を出て(その理由が良く分からなかった。舞台上で説明が
あったような気がするけど)、スペインに渡りジプシー集団に加わり、大道芸で暮らしていくように
なります。
時が経ち、ある時、幼馴染のルイサ(大塚ちひろ)がディエゴを探しに来ます。「アレハンドロ総督を
亡き者にしてラモンが独裁政治をしているので、戻ってきてほしい」と。ディエゴはカルフォニアに
ジプシーたちと一緒に戻ってきます。
故郷の現状を目の当たりにしたディエゴは一計を案じて、ラモンの前ではおかまキャラを演じて油断させ、
変装してゾロとして、ラモンと闘うことにします。
とストーリーだけで長くなってしまいました。
 
ここからはストーリーのネタバレになります。
途中から、アレハンドロ総督は実は生きているんではないかと思いましたが、生きていました。
ラモンに監禁されていました。ラモンは愛情に飢えていて、結局は父親を殺せなかったのです。
ラモンの愛憎が増長して、こっち方面に来たかーと。まさかミュージカルでこういう設定を
見ることになるとは思いませんでした。
でも、ラモンって何故、父親の愛を感じられなかったのかなあ。ディエゴがいたからかな。
父親が自分の跡継ぎはディエゴだと決めていて、本当の息子とは区別されていると
思い込んだまま成長したのかな。
 
一幕から音楽が宝塚のショーで聞いたことのある曲が多くて、気になり、幕間にパンフレットを
買い、確認したら「ジプシー・キングス」というグループの曲で、日本ではCMにも曲が使われていて
お馴染みの人たちだったようです。今までは曲は聴いたことあっても歌っている人たちを知らなかったので、
今回知るきっかけになって良かったです。翌日、ベストアルバムの2枚組CDを買ってしまいました。
また本場のフラメンコダンサーが出演しているのも納得なくらい、フラメンコの場面が多かったです。
ちゃんと盛り上がったので、楽しめました。
最後もショーのような感じで皆でフラメンコを踊っていて楽しかったです。
 
出演者に関しては
ディエゴ/ゾロ 坂本昌行
ゾロ出演の場面でのアクションシーンはジャニーズらしくこなせていたと思います。
主役としては十分良かったと思います。
 
ルイサ 大塚ちひろ
幼馴染のディエゴやラモンに比べたら若い配役だと思いますが、彼女の実年齢を知っているから、
ちょっと気になりました。だからと言って、坂本くんや石井さんと同年代の女性をこの役にしても
合わないだろうし。男性陣に合わせるなら20代後半から30代前半くらいのヒロインが良かったかな。
役には合っていたと思うので、男性陣がもっと若ければという思いです。
 
ラモン 石井一孝
単なる悪役ではなく、ひねくれた屈折した悪役だったので、妙に印象に残る役でした。
床に寝転がって、父親の襟元を掴んで何でだ~と叫ぶシーンを近くで見たら怖かったでしょう。
 
イネス 池田有希子
ストーリーに名前を出していませんが、ジプシーの女性で、ジプシーのリーダーで、スパッとした感じの
女性でいい女。ディエゴに気がありますが、ディエゴには他に好きな女性がいるのを知っているからか、
そんなに迫ることも無く、ディエゴに協力します。すごく良い役でした。演じていた池田さんも
すごく良かったです。この作品で一番、好きな役です。
 
ガルシア軍曹 芋荒坂係長
ラモンの部下なので、彼に疑問を抱きつつも、抵抗できません。イネスに魅了され彼女に、
男なら疑問に思うラモンに抵抗するんだと盛り上げられても、結局は出来ず、イネスから信頼を
失います。ですが、最後やっとラモンに抵抗して、ゾロに有利になるような行動を起します。
この役も意外と良い役でした。
気になったのは演出家が外国人だったのですが、彼の芸名をどう思ったのでしょうか。何て
呼んだのかな?「カカリチョー」かな
 
アレハンドロ総督、老ジプシー 上條恒彦
老ジプシーとしての出番が多かったです。イネスを見守る感じでした。ダンスの時は後ろに
ひいて、老ジプシーとして若いジプシーたちを温かい目で見ていらっしゃいました。
アレハンドロ総督はラモンに対して、何故わからん!と言っていて、かわいそうな父親でした。
親の心子知らずと言う感じで。実の息子も家を飛び出しちゃったしね。
上條さんは声がガラガラで、え、この状態で出てていいの?と感じたのですが、これが上條さん
なのかなと思いつつ見ましたが。東宝側は何も対応していないのかなあ。声は重要ですよ!