えんため語り部屋

舞台を中心としたエンタ-テイメントについて語っています

「ミス・サイゴン」2月7日(土)17:00~

1月3日(プレ公演含む)から始まった博多座の「ミス・サイゴン」も今日が千秋楽ですね。
結局1回しか見なかった。
エンジニア:市村正親
キム:新妻聖子
クリス:原田優一
ジョン:岡幸二郎
エレン:シルビア・グラブ
トゥイ:泉見洋平
ジジ:菅谷真理恵
市村さんと原田くんの組み合わせで選んだのだが岡さん、泉見くんも結構好きなので
男優さんはすごく自分好みが揃っている日を選んでいたんだなと実際見て思いました。
大分、前にチケットも取っていて行く前に配役も確認しなかったので、市村さんと原田くん以外は
誰か分からずに見に行ってました。

さて「ミス・サイゴン」は初めてです。その前にちらっとNHKのスタジオで歌っているのを見ました。
なので、そのシーンがどこにくるのかと気になっていました。

エンジニアが主演(座長?)っぽく言っているけど主役はキムだと思いました。
考えさせられたのはクリス。戦争で精神的に弱くなっているときにキムに出会い、心を通い合わせ
愛し合ったけれども、突然分かれなければならなくなった。戦争が終わりクリスは結婚し、新しい
生活を送っているが、心の片隅にはキムのことも残っている。でもそれはもう恋愛の愛ではなくなっている。
クリスはあんなに愛したキムだけど、今は結婚したエレンを愛しているし、そちらとの生活を大切に
したい気持ちが強い。途中、キムのことはどうした!本当はキムのほうを愛しているんだろう?
と思いながら見ていたけど、段々、クリスは今はエレンの方が大事なのかな、エレンの方を
愛しているのかなと思うようになってきた。
それもそうかな。やっぱり一緒にいる人のほうに情が移ってくるのはほとんどの人がそうだと思うし。
しかしキムにはクリスの子供を産んで育てていた。クリスとエレンは最初は子供を引き取るのも
ためらっていたが、ジョンに諭されて子供は引き取ることにする。
そして子供を渡した直後、キムは自殺!
ええ~!、やっぱりそういう結末になるのか・・・・と。こういう場合は子供も男もいなくても
女一人で立派に生きていくわ!ってならないよな。そういう物語ではないし。たぶんこの時代のベトナムには
希望が無かったんだろうし。ああ、でも同じ女性としてキムに生きていってほしかった。
ミス・サイゴン」続編としてエンジニアとともにたくましく生きていくキムの姿もあっていいのでは無いだろうか。
そう思うキムの人生だった。
せめてクリスたちが去ってから誰にも知られること無く去っていけばまだ良かったのだが、
直後だから皆が銃声を聞いて集まってきてその中で死んでいったキムがどうも同情されたかったのか?と
うがった見方をしてしまい、、キムの女の価値を下げているような気がした。
人知れず死んでいった方がもっとキムの人生の悲惨さを表現できるかなと思ったり・・・。
悲しい人生だからせめて皆に見守られながらというのもあるかもしれん。それにキム、死んだとき20歳くらい
だもんな。年齢を考えるとやっぱりかわいそうと同情してしまうな。

さてストーリー以外では。
冒頭でやたらでかい人がいるなと思ったら岡さんだった。原田くんよりもかなり大きかった。
でも原田くんってMA(町田氏、パナ、アッキー)よりは大きかったような気がするんだが。
岡さんが大きすぎるのかしら?
泉見くんの役は1幕で終わりかと思ったら、2幕も出てきた!熱い泉見くんに熱いキャラのトゥイで熱さ倍増!
エレンはシルビアさんだったが、クリスとのバランスを考えたら若い人でOKな役だ。シルビアさんの他の作品
での役を知っているのでクリスよりも貫禄を感じてしまい、クリスのお姉さんって感じでバランスが悪い気もした。
軽妙なエンジニアは市村さんにぴったりという感じ。この市村エンジニアを見たら筧さんは想像できるけど、
別所さん、橋本さんのエンジニアはどんな感じなのか、想像しにくい。
テレビで見たエンジニアのソロはかなり長いシーンでした。あとあれはアメリカではなかったのねとか。
結局エンジニアはアメリカの地を踏めなかったのねとか。
そしてヘリコプター!これをやれるように博多座の舞台は設計されたそうです。音がすごく大きくて
迫力がありました。
あとベトナム戦争後の金ぴかの大きい像がインパクトあり。当時の社会主義って何故独裁者を作り出すんだろう・・・。

アメリカ人とベトナム人の間に生まれた子達をドイ・プイというのですが、わたしよりちょっと年上の年代になる。
今現在、どうなっているんでしょう?アメリカで育った人もいれば、ベトナムで育った人もいるだろう。
どんな人生を過ごされたんでしょうか?